2019-5-31
オールオン４（オールオンフォー、all on 4）インプラント治療について
東京都練馬区（江古田駅）にある、おざわクリニック（歯科・口腔外科、耳鼻咽喉科）です
今日はオールオン４（オールオンフォー、all on 4）インプラント治療について解説します
オールオン４（オールオンフォー、all on 4）とは
上顎、または下顎（どちらか一方の顎；片顎と言います）の歯が一本も無い方、ごく少数しか残っていない方、あるいは、歯が残っていても重度な歯周病、重度な虫歯で回復が見込めない方に対して、最小限の４本のインプラントで全ての歯を作る方法です
全ての歯といっても、左右で６本づつ、計１２本となります
本来人は片顎で１４本の歯がありますが左右で１本づつ足りません
奥歯の第一大臼歯、つまり６番まであればほとんどの場合が食べるのに支障はないという考えからです
患者様によって、残存している骨の量がある方は左右で７本づつ、計１４の歯を作ることもできます
オールオン４の特徴について
オールオン４のメリット
オールオン４はたった４本で片顎全ての歯を作れること（費用的にも、手術侵襲的にも）
人間の歯１本につき１本づつインプラントを入れて行ったら（１４本）大変な金額になってしまいます
１４本入れないにしても８本〜１０本とか
そもそも、まっすぐに８本〜１０本とかインプラントを入れられる方はほとんどおりません
骨がないんです（骨の幅が薄かったり、高さがなかったり）
オールオン４は骨が残っている前歯の部分を利用してインプラントを埋め込む方法です
前の２本のインプラントはまっすぐ、左右の奥２本のインプラントは傾斜埋入（インプラントを斜めに入れる）することによって奥歯まで歯を作ることができます
前歯の部分は比較的骨の質が良好ですのでこの部分を利用します
オールオン４は治療期間が短い
通常手術した当日に即日歯が入ります（仮の歯）
これは患者様に大変喜ばれています
１日で入れ歯から解放されるのですから
ぐらぐらの歯で噛めなかったり、悪臭がする方もそれが１日で解放されます
骨の移植による造骨を前歯の部分と左右臼歯部に行うと複数回の手術と、２〜３年の治療期間を要します
オールオン４は骨の移植をしなくていい
ほとんどの方が骨の幅や高さが足りないため、まっすぐにインプラントを入れるには大量の骨の移植が必要です
前方の前歯付近は骨の幅、高さが足りないため大量の骨の移植が必要となります
場合によっては入院して、腸骨（骨盤の骨）の移植が必要なこともあります
奥歯（臼歯）はすぐ近くに上顎洞という副鼻腔があるため、鼻の中（上顎洞内）に骨の移植（サイナスリフト）しなければなりません
オールオン４インプラント治療の場合には通常このような骨の移植はしません
オールオン４は歯並びが綺麗に仕上がる
前歯から奥歯に渡って全ての歯を作りますので歯並びが綺麗に仕上がります
上顎と下顎両方にオールオン４を行なった場合にはさらに歯並びを理想的に作れます
歯の色も好きなようにできますので綺麗に仕上がります
オールオン４は力学的にも安定
前歯に残存している骨梁にインプラントを真っ直ぐ埋入した場合、インプラントどうしが直線的に並んでしまします
オールオン４の場合インプラント４本のうち奥２本は傾斜埋入をするためインプラントどうしが前後的に離れます
インプラントどうしを直線で結んだ場合、真っ直ぐインプラントを入れた場合にはほぼ直線的になってしまします
一方、オールオン４のように傾斜埋入をした場合では台形になるため前後的な力がかかる咀嚼時には力学的に安定します
左はインプラントをまっすぐ６本入れた場合、右は真ん中二本をまっすぐ、奥二本を傾斜埋入（いわゆるオールオン４）した場合
インプラントどおしを結んで囲った面積を見てください
右のほうが面積は大きいです、左は直線上にインプラントが並んでしまいます
⑥は６番目の歯の位置（第一大臼歯）です
⑥まで歯を作りますので、⑥で食べ物を噛んだ場合、左の６本の方がインプラントに負担がかかることがお判りいただけると思います
右は４本なのに負担がかからず力学的に安定することが判ります
インプラントの本数が少ないため費用も安くなります
これがオールオン４の特徴です
６本のインプラントをなぜもっと奥に入れないのか？
骨がないんです、上顎の奥歯のすぐ上には上顎洞という鼻の穴があるため⑥の位置や、その手前にインプラントをまっすぐ垂直にに入れられないんです
下顎も同じく奥歯の位置には下歯槽神経、下歯槽動静脈という血管があるためインプラントを入れられる骨がない方が多いのです
下顎の前歯の位置はそのような大きな神経も血管もありませんので、やはり前方に２本まっすぐ、奥に２本傾斜埋入をして上顎と同じく６番まで歯を作ります
