歯科金属アレルギー
歯科金属アレルギーとは
歯科金属アレルギー患者の判定条件
1.過去に医師による治療を1ヶ月以上受けても症状が改善しない。
2.パッチテストおよび、またはリンパ球幼若化試験で陽性を示した金属を除去した後、症状の改善が認められた。
3.症状の改善が、ステロイドや免疫抑制剤を使用することなく1年以上継続している
上記1、2、3すべてを満たすものを歯科金属アレルギー患者となります。
歯科金属アレルギーを持っている患者さんの性別・年齢
- 年齢別では20代、30代が多い(66.3%)。
- 年齢分布は4~80歳。
- 性差:女性が男性の2.6 倍以上。
- 50歳代では女性が男性の4倍以上。
口腔内の金属は腐食しやすい
- 口腔内の唾液や酸により金属の腐食が生じます。
- 異種金属が接触している部位ではガルバニー電流が流れるため腐食が加速します(お口の中にいろんな種類の、または、いろんな色の金属が入っていませんか?)。
- 通常金属表面は酸化皮膜が形成されおりそれが対腐食性を持っています。
- 腐食によりその酸化皮膜が破壊されると金属が溶解することとなります。
腐食して金属イオンになりアレルギーを引き起こす
腐食した金属はイオン化して溶け出します。
溶け出した金属イオンは体内のタンパク質と結合します。
タンパク質と結合した金属イオンは人体から非自己(異物)と認識され、免疫反応を引き起こすのです。
歯科金属アレルギーにより引き起こされる疾患名の上位トップ5
1.アトピー性皮膚炎
2.掌蹠膿疱症
3.湿疹
4.乾癬
5.ニキビ
【その他】
喘息・鼻炎・口腔内違和感・化学物質過敏症・蕁麻疹鬱・不定愁訴・慢性疲労症候群・脱毛・かゆみ・口内炎・潰瘍性大腸炎・花粉症・口腔扁平苔癬・リウマチ・血管炎・その他
歯科金属アレルギーの特徴
歯科金属アレルギーは口腔内の金属が原因であるのにも関わらず、その症状は口腔内にほとんど発症せず、口腔内から離れた遠隔の皮膚に発症することが極めて多いのです。

全身性接触皮膚炎
- 口腔粘膜や腸管などから体内に吸収される微量金属は、ほとんどが糞便中に排泄されますが、一部は汗・尿・乳汁中に排泄されます。
- 歯科金属アレルギーは、口腔内の金属が口腔粘膜や消化管から吸収された後、血行性に全身に運ばれ、到達した部位で汗などを介して炎症反応を起こす全身性接触皮膚炎なのです。
金属アレルギーの検査
- パッチテスト (PT)
- リンパ球幼若化試験 (LST)
- 金属内服負荷試験 (OC)…原因と疑われる金属を内服してアレルギー反応を見る方法(原因を特定する信頼性の高い方法です)

パッチテスター(パッチテスト)
- パッチテスターに金属検査試薬を塗布または貼付して背中か、腕に貼って皮膚の変化をみます。
- 2日後、3日後、7日後に来院していただき判定をします。
- 3日間は入浴ができませんが、パッチテスターを貼った部分に触らないように身体を拭くことはできます。
ご自身で、次のような疾患に思い当たることはありませんか?
1.アトピー性皮膚炎
2.掌蹠膿疱症
3.湿疹
4.乾癬
5.ニキビ
【その他】
喘息・鼻炎・口腔内違和感・化学物質過敏症・蕁麻疹鬱・不定愁訴・慢性疲労症候群・脱毛・かゆみ・口内炎・潰瘍性大腸炎・花粉症・口腔扁平苔癬・リウマチ・血管炎・その他
お口の中の金属は徐々に溶け出していきます
若い頃にはなんともなかったけれど長年の間(10年〜20年、さらにもっと)に体内に金属が蓄積していきます。
なんかこの頃変だなとか、年のせい?
段々と免疫力がなくなっていきますので若い頃は現れなかった反応が出てきます。
歯科に通院している時は、治療のたびに徐々にお口の中から金属をなくしていきたいものです。
いっぺんにではなくていいです。
しかし、アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症など現実に疾患がある方はいっぺんがいいです。
健康保険で認められている金属なので安全性に問題はないと考えがちですが・・・。
安全だと言われている金でもアレルギーが出る方もいらっしゃいます。
金属アレルギーのある方へ、メタルフリーインプラント

メタルフリーインプラント
まれに、チタンの金属アレルギーがある方がおられます。
純チタンでも微量に他元素が含まれていることもあり、その微量な金属によるアレルギー症状が生じることがあります。
チタンインプラントを使えない方は、メタルフリーインプラント、つまり、ジルコニアインプラント(セラミックインプラント)がオススメです。
画像:ZIRKOLITH Implant (スイス製)