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2020-7-6
新型コロナウィルスと口腔ケア
東京都練馬区(江古田駅)にある、おざわクリニック(歯科・口腔外科、耳鼻咽喉科)です
新型コロナウィルスと口腔ケアについて
ウィルスが細胞内に侵入する時には細胞膜上のレセプターに結合します
レセプターへの結合時にプロテアーゼ(酵素)が必要です
このプロテアーゼは細胞内、細胞表面に存在するだけではなく口腔内の細菌(歯周病原細菌など)も産生しています
新型コロナウィルスの感染にはレセプターの存在とプロテアーゼによる活性化が必要となります
新型コロナウィルスは生体に発現するACE2をレセプターとしており、ACE2
は口腔内に認められ特に舌の上皮細胞に高発現するという報告があります
Peng X, et al. Int J Oral Sci 2020 ; 12(1) : 9.
インフルエンザ感染と口腔ケアとの関連について
口腔ケアにより口腔内の細菌数の減少とインフルエンザの罹患率の減少が相関すると報告されています(プロテアーゼを産生する細菌が減少)
君塚、他. 歯科学報 2006 ; 106(2) : 75-80.
したがって、口腔ケアをしっかり行い口腔内の細菌数を減らすことによって新型コロナウィルスの感染を減らすことも期待されます
唾液腺の機能を高めて唾液中のIgAを増やしましょう
唾液中には様々な抗菌・抗ウィルス作用を示す成分が含まれています
その成分の最上位にIgAが存在します
IgAは粘膜免疫の実行抗体で、粘膜表面からの感染を防いでいる
IgAの増加には咀嚼や発酵食品・食物繊維の摂取で増加します
歯科医院で販売しているプロバイオティクス・プレバイオティクスも効果があります
the Quintessence. Vol. 39 (5) 2020, 1083-1084. より引用改変